自律神経失調症の改善 大百科
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薬から生活習慣まで自律神経失調症の克服方法

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子供も発症する自律神経失調症と起立性調節障害

子供でも自律神経失調症を発症する?

自律神経失調症の1つに「起立性失調症候群」と言われているものがあり、別名「起立性調節障害(OD)」とも呼ばれています。細身の人、顔色が悪い人、神経質な人に多い傾向で、小学校高学年の子供から初老期と幅広い世代にみられる症状です。

これは、起き上がったときや立っている時に血管がうまく調節できず、立ちくらみやめまいなどの症状を起こします。起立性調節障害(OD)は、思春期の学生に現れることが多いようです。そのため自律神経失調症は子供でも発症します。

子供が起立性調節障害を発症する原因

起立性調節障害で起こる症状は血管の働きがうまくできていないことが原因になります。起立性調節障害のときとそうでない時を比べると次のような流れになります。

通常の場合

1.起き上がる(立っている時)
2.重力により血液が下半身に下がる
3.下半身の血管が収縮
4.十分な量の血液が心臓に戻る
5.十分な量の血液が心臓から全身に送られる
6.脳にも血液が送られる
7.元気な状態

起立性調節障害の場合

1.起き上がる(立っている時)
2.重力により血液が下半身に下がる
3.下半身の血管が収縮がうまくできない
4.少ない量の血液しか心臓に戻すことができない
5.心臓から全身に送られる血液量も少ない
6.脳に送られる血液も少ない
7.立ちくらみ、めまい、貧血などの症状が出る

この起立性調節障の原因はまだはっきりとは分かっていませんが、比較的「育てやすく良い子」という子供に多く当てはまるようです。気配りができて繊細な部分もある子は、ストレスを溜めやすい傾向があります。心配をかけないように黙っている子が症状を悪化させてしまうこともあるので、親や周囲の大人が些細な変化にも気が付く必要があります。

起立性調節障害を発症すると起こる症状

起立性調節障害の小さい症状から見ていきましょう。

小さい症状

  • 顔色が悪い(青白い)
  • 食欲がない
  • 食べると気分が悪くなる
  • よく腹痛を訴える
  • 下痢することが多い
  • 頭痛がある
  • 疲れやすい
  • 乗り物酔いをする

このような症状を見逃していると徐々に悪化していきます。症状が大きくなると次のような症状が出てきます。

大きな症状

  • 立ちくらみ、めまいがよくある
  • 長時間立っていると体調が悪くなる・倒れる
  • 入浴時は気分が悪い
  • 嫌なことがあると気分が悪くなる
  • 少し動いただけで動機・息切れを感じる
  • 夜は寝つきが悪く、朝の目覚め・寝起きが悪い
  • 午前中は調子が悪い

小さな症状を一つ一つ見ていくとそこまで気になることではないが、毎日のように不調が続くと起立性調節障害の可能性があります。症状が大きくなる前に子どもの体調を毎日確認して早めに気付いてあげましょう。

4種類に分けられる症状

起立性調節障害での症状は4つに分けられ、それぞれ違うので把握しておきましょう。

起立直後性低血圧

このタイプは、4つの症状の中で最も多いとされるもので、起立後すぐに血圧が大きく低下します。急激に血流が悪くなるため立ちくらみやめまいなどの症状が起きます。血圧が正常に回復するのに25秒以上かかる人はこの起立直後性低血圧と診断されます。

体位性頻脈症候群

起立後に急な血圧低下がみられることはありませんが、全身の倦怠感やふらつき頭痛などの体調不良を起こしてしまいます。また、立ち上がってしばらくすると心拍数が普段よりも増加してしまい、一般的な心拍数1分間に70~80回ほどに対して115回以上にも増加します。起立後しばらく経った後に平均心拍数よりも35回以上になる人は体位性頻脈症候群と診断されます。

神経調節性失神

起立直後に血圧の低下がみられることはありません。しかし、立った状態でしばらく時間が経つと顔が青白くなり急激に血圧が低下していきます。そのため血液が脳や全身にうまく送られないので意識が遠のき失神したり、場合によっては痙攣発作を起こしてしまったりすることもあります。立っているときに急に倒れる人は神経調節性失神の可能性が高いです。

遷延性起立性低血圧

起立直後に血圧の低下がみられることはありませんが、3~10分ほど経った後に徐々に低下していきます。血圧が15%以上低下し、気分不良、動機、冷や汗などの症状が出てきます。この遷延性起立性低血圧は起立性調節障害の中でもあまり見ないタイプです。

起立性調節障害の治療方法

起立性調節障害の治療は基本的に薬物の使用はしません。まずは親と子供に詳しい説明や対処法などの説明を行い、正しい知識を身につけてもらいます。また、改善のための生活指導も行われます。

  • 朝起きて朝日を浴びる
    朝日を浴びることで体がリセットされて生活リズムを整えることができます。
  • 早寝・早起きをする
    起立性調節障害の原因の1つとして「夜更かし」が考えられるので早寝・早起きの習慣化を行います。
  • 日中は運動するようにする
    体を動かすことで体力が消費されてしっかりと睡眠をとることができます。
  • 食事
    塩分の多い食事は通常避けられますが、起立性調節障害の場合は塩分が足りていないことがある塩分摂取を進めます。しかし、摂り過ぎには注意しましょう。
  • テレビ、スマホ、パソコンの使用を減らす
    テレビなどの液症から出るブルーライトは脳に刺激を与えてしまうので、普段から見る時間を減らし、眠る1時間以上前は見ないようにしましょう。

上記以外にも医師からの指導があれば実践して改善を意識しましょう。このような生活指導でも改善が見られなかったり、日常生活に支障をきたしたりするほどの重症であれば薬物治療を行うこともあります。

薬物治療では血圧が下がらないようにする薬を主に服用します。子供の生活状況によっては精神安定剤や睡眠薬などを処方されることもありますが、薬物療法に不安があればきちんと医師と相談しましょう。

子供のストレスについて

小学校の高学年で自律神経失調症、起立性調節障害の症状を発症する子がいます。原因の1つに子供生活環境の中にあるストレスが考えられます。子供がどのようなことでストレスを感じるのか知っておきましょう。

  • 学校で教師や友人との関係がうまくいかない
  • いじめを受けている
  • 勉強が分からない
  • 成績がわるい
  • 家庭での厳しい教育
  • 転校や引っ越しなどによる環境の変化
  • 学校の行事

他にも大人にとっては些細なことかもしれませんが、子供にとってはプレッシャーやストレスを大きく感じている可能性が高いです。

早期発見して起立性調節障害と自律神経失調症を予防する

子供がストレスを感じていることを早めに気付き、起立性調節障害と自律神経失調症を予防しましょう。子供がストレスを感じていると次のような症状を訴えます。

  • 腹痛
  • 吐き気、嘔吐
  • 下痢
  • 便秘
  • 頭痛、発熱
  • 過呼吸
  • 喘息やアトピーの症状悪化

このような症状が頻繁にあるようならストレスを抱えている可能性が高いです。気にせず放置していると起立性調節障害や自律神経失調症を引き起こす可能性があるので見逃さないようにしましょう。

子供のためにできること

親が焦ると結果だけを追ってしまい、子供に負担をかけてしまいます。子供のペースに合わせて何ができるのか一緒に考えて行動するようにしましょう。ストレス解消法には次のようなものがあります。

  • 外で思う存分遊ばせる
    体を動かすことは子供の成長にも大切なことです。運動が苦手な子でも親と一緒に会話しながら散歩するだけでも十分なので、まずは外に出てみましょう。
  • スキンシップを取る
    子供が小学校高学年以上になると、スキンシップが減ったという家庭もたくさんあるのではないでしょうか。気が付いたときに方に触れたり頭をなでたりなど、軽いスキンシップを取ってみましょう。
  • プレッシャーを与えない
    学校の勉強や習い事で子供がプレッシャーを感じていることがあります。できないときにプレッシャーを与えるのではなく、負担のかからないように自然にサポートしてあげましょう。
  • 趣味を広げる
    趣味はストレスを和らげてくれます。子供の気持ちも穏やかになるので、趣味があれば没頭させることもストレス解消法の1つになります。

このようなストレス発散法と子供との会話を大切にしてストレスを溜めないようにすれば病気を未然に防ぐことができます。子供のペースに合わせて実践してみましょう。

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