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めまい・耳鳴り
内耳にある三半規管には、身体の平衡感覚をつかさどる働きがあります。管の中はリンパ液で満たされており、このリンパ液が頭の傾きによって動き、脳にサインが送られます。
自律神経失調症の人にみられるめまいや耳鳴りは、三半規管の機能低下で起こります。三半規管は、交感神経が優位になり血管が収縮することで血流が不足して機能が低下するのです。
自律神経の乱れがリンパの流れを阻害すると、平行感覚がおかしくなり、めまいを引き起こします。また、三半規管への血流の乱れ、前庭小脳と呼ばれる部分の異常によっても、同様にめまいやふらつきなどが現れます。
三半規管のリンパが原因の症状(めまい・耳鳴り・立ちくらみ)
平衡感覚が狂うとめまい以外に、耳鳴りや吐き気などの症状があらわれることもあります。
めまいには、身体がふわふわと浮いているような非回転性めまいとぐるぐると回っている感じがする回転性めまいの2種類がありますが、自律神経によるめまいは前者の非回転性めまいです。
また、めまいと似た症状に立ちくらみがあります。
立ちくらみは自律神経だけでなく貧血の可能性もあります。
めまいや耳鳴りは脳の病気の可能性もあるので早めに医師に相談してみましょう。
- 自律神経失調症のめまいや耳鳴りの原因
ストレスによる三半規管のリンパの流れの乱れ
自律神経の乱れによる三半規管への血流阻害
- 症状
・ふわふわとした浮遊感
・耳鳴り
疲労回復、姿勢の改善で治ることも
自律神経失調症によるめまい、耳鳴りの原因は大半がストレスです。
そのため、ストレスの原因をなるべく取り除き、心身をゆっくり休ませることが大事。特に、睡眠不足の人に多い症状なので、規則正しい生活を心がけ、睡眠をしっかりとりましょう。
また、自律神経障害がある人には首や肩コリに悩む人が多く、コリによって脳への血液の流れが悪くなることで発症することもあります。めまい、耳鳴りと同時にコリにも悩んでいる人は、こちらの原因も疑ってみましょう。前のめりの姿勢でデスクワークをしていないか、長時間パソコンを見ていないかなど、普段姿勢や習慣も見直す必要があります。
めまいや耳鳴りの薬物治療では、末梢神経の代謝を促す作用があビタミンB12(メチコバール)が処方されることが多いようです。
自律神経失調症のめまい・耳鳴りの対策
- 十分な睡眠
- 肩や首まわりのマッサージ、ストレッチ
- 肩や首まわりを温める
- バランスのよい食生活
- 姿勢の改善
- ビタミンB12(メチコバール)の服用
辛い吐き気の症状、なぜ起こる?
自律神経失調症による吐き気には以下の2種類があります。
- めまいに伴う吐き気
- 消化器官の異常に伴う吐き気
めまいに伴う吐き気
めまいに伴う吐き気は、交感神経優位による血流障害によって生じます。
交感神経優位→血管収縮状態の継続→三半規管への血流減少→三半規管の機能障害
自律神経失調症になると、交感神経が優位の状態が続きます。交感神経には血管を収縮させてる作用があります。
血管が収縮した状態が続くと、血液が流れる通り道が狭くなった状態が続くため、三半規管へ流れる血液の量が減ってしまいます。すると、三半規管の細胞が栄養を補給することができなくなり、三半規管の機能にトラブルが生じるのです。
三半規管は平衡バランスに関する情報を集めて、脳に信号(サイン)を送ります。そして脳でその情報を統合することによって、私たちは上手くバランスをとることが可能になるのです。
三半規管の機能障害→入ってくる情報がめちゃくちゃになる→脳が混乱→めまい→吐き気
三半規管にトラブルが生じると、身体が今どのように傾いているのかという情報を集めることができなくなり、脳が混乱してめまいが生じます。そして、めまいが続くことで吐き気を催してしまうのです。
具体例をあげるならば、遊園地のジェットコースターや回転するコーヒカップ、自動車や船に乗った後の乗り物酔いにとても近い症状です。
消化器官の異常に伴う吐き気
消化器官の異常に伴う吐き気は、交感神経優位による消化器官の異常が原因です。
胃や腸、十二指腸といった消化器官は、副交感神経が優位の時に活発に動きます。そのため、交感神経が優位の状態が継続すると、消化器官が上手く働かなくなってしまいます。
つまり、自律神経失調症の人は消化器官の機能も衰えているといえます。
そのような状態の時に食事をとっても、消化器官は食べたものを上手く胃から腸へ運ぶことができません。その結果、吐き気がでてくるのです。
また消化器官の衰えに伴って、吐き気だけでなく胸焼けや胃もたれ、食欲不振といった症状がでることもあります。
吐き気・嘔吐の対処法
右向きに横になる
吐き気がある時は、右向きで横になりましょう。胃の構造上、右向きになると胃の内容物が自然に腸へと流れていきます。
また、身体を動かさないことで吐き気を和らげることも可能です。飲み過ぎの場合は背中をさすり刺激を与えて吐き気を促します。これは、胃の中のアルコールを吐いてしまったほうが楽になるからです。
しかし、めまいによる吐き気の場合は嘔吐しても楽にならないどころか脱水を引き起こす可能性もあるので、さする行為はやめておいたほうがいいです。
口をゆすぐ
もし、吐いてしまった場合は口の中をすぐにゆすぎましょう。口の中に強いにおいが残っていると、さらに吐き気を強めてしまいます。
口をゆすぐ時は冷たい水で行うと口の中がよりさっぱりとし、吐き気を抑えることができます。
においを避ける
自律神経失調症による吐き気は、においによって誘発されることがあります。そのため、においを避けることで吐き気の予防が可能です。気をつけたいにおいは以下になります。
- 香水
- にんにく、ニラなどの刺激性のある食べ物のにおい
- 汗・体臭
- たばこ
- トイレ
自宅であれば、掃除や換気を行うことでにおいの対策ができます。また、外出の際はマスクを活用しましょう。
病院へ行く
吐き気が1日以上継続する場合は、無理せずに総合内科かかかりつけの心療内科を受診して吐き気止めを処方してもらいましょう。
水分が摂取できないほど吐き気が強い時は、脱水症になる危険性があるため点滴で吐き気止めを投与したほうがよい場合もあります。
ですが、点滴による吐き気止めの投与を行っていないクリニックもあるので、その場合は総合病院を紹介してもらいましょう。
嘔吐が続いた場合は速やかに病院へ
吐き気が続くと、食事と水分をとることができなくなってしまいます。そして、吐くという行為はとても体力を使うため、身体はどんどん衰弱していきます。
食事や水分をとることができていればあまり心配は要りませんが、もし嘔吐に伴い痙攣・意識障害・視点が合わないなどの症状が現れている場合は、速やかに救急車を呼んでください。そのまま放置していると、命に危険が及びます。